ものすごく直球のショートマンガ短編集です。
1Pから長いので8Pくらい。最後の「ラスト・ムービー」が24P。好き嫌いあると思いますが、心の琴線に触れる内容です。
「掟」
幼稚園に通う少女が、TVで「農村の暮らし」のドキュメンタリー番組の中、村人が飼っている鶏を食べるシーンを観て「かわいそう。」少女は幼稚園で鶏を飼っているのだ。そんな少女に小学生の兄が「お前だって今、牛食ってるじゃん。同じジャン。」兄に軍配が上がった。
「・・・もう食べない」
少女はベジタリアンになった。そして6日目。家族でファミレスへ。兄はハンバーグ・セットを注文。少女は黙って下をうつむいたまま。母が優しく声をかける。
「・・・もういいよ。よくがんばったね」
母の言葉で号泣する少女。泣く声がファミレスの中に響く・・。
私たち人間は他の生き物を殺して生きてる。この齢で少女はその真理を体感したのだ。
「小さな死」
『中学の時に哲学ではセックスのことを「小さな死」というのを知りました』
この言葉から始まる6Pには、ある病気(HIVのことを言ってると思われる)に感染している、中学生時代にクラスメートで偏見と差別を受けた少女の話から、十分な知識に優しく守られた大学の時の友人、そして社会人になってできた(HIVの)恋人との触れあいで「死」を考え理解していく話です。
・・・セックスもします。
気をつければほぼ100%うつりません。
・・が私はそのたびにいつも
ある種の覚悟をします。
これで死ぬかもしれない。でもいいと。
泣けるのはこんな自分がうれしいからです。
・・私はこのときはじめて私なりに 小さな死を理解しました。
このほかにも印象に残る言葉があります。
「花を咲かせない方法ってあるの。
・・・水も栄養も十分与えるのよ。
そうすると植物は安心して花を咲かせないわ。
咲かせるのはその逆。」
読んで、心に残る作品もいくつかあったけど、あまりぴんと来ない作品も多かったのもまた事実。ただ全部、自分の気持ちに合う必要もない。ほんの一握りのページだけが心に深く刻まれた、それで十分です。インディーズの作家のようです。もし興味のある人は詠んでみてください。
最後に。
表紙裏(表4)に書かれているショートストーリーも意味が深いです。
(文字が見にくいので、吹き出しを下に書きます)
「人生」
・・・ヘンな夢を見た・・・
ひとつのタマネギ。
《これがあなたの人生です》
「(これが?)・・玉ネギみたいですね」
《皮一枚が歳一歳です》
玉ネギの皮をむきながら
「・・・本体がないんですけど」
《そういうものです》
「しかも・・・
涙が止まりません」
《そういうものです》
http://www2.odn.ne.jp/~cbh42840/life.html
「嫌になったり、くじけたり。
それでもあなたがいるだけで、日々はこんなにも愛しい」
(表紙帯より)
「生きるススメ」戸田誠二著
http://www2.odn.ne.jp/~cbh42840/index.html
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