懐かしのバンド・ストーリー レッド・ツェッペリン(3)
4枚目のアルバムの大成功はバンドを絶対的な存在にのし上げていった。彼らは70年代のロック界のスーパースターとしての揺るぎない存在となった。次に発表したアルバム「聖なる館」はその衝撃的なジャケットもあってチャート1位を疾走する。
今までの彼らの多様な音楽性をこのアルバムで更に発展させたが、9/8拍子という踊れないファンクの曲を入れたり、レゲエ調の曲を入れたり、スローなナンバーが目立ったこのアルバムは、ハードなロックを期待したファンや評論家からは好意的な評価を得られなかった。
そしてバンドの武器でありシンボルであったボーカルのロバート・プラントが、その頃に喉を痛め、以前のような大音量の高音が出せなくなってしまった。そんな状態でも、驚異的なスケジュールのツアーを敢行し続けたが、ギターのジミー・ペイジもそのプレイが雑になったと悪評もたったりと、彼らの疲労も激しさを増していった。
そんなバンドの状態の中で、「聖なる館」に続く新たなアルバム制作が続けられていた。「フィジカル・グラフィティ」と名付けられたそのアルバムは、レッド・ツェッペリン初で最後の2枚組アルバムとなった。「聖なる館」で実験的な多様性を見せた彼らだったが、持ち前のヘヴィな音を取り戻し、レッド・ツェッペリンのピークとも言える作品となった。
個人的にはトランプルド・アンダー・フット、カシミールといった彼ららしいリフを繰り返すヘヴィな音づくりはここで頂点を極めたかのように思えた。トランプルド・アンダー・フットとかは、日本のBzとかもパクったり(失礼!リスペクトしたり)しているしね。Bzだけではなく、このアルバムから多くのフォロワーを生んだ傑作と言える。
Led Zeppelin - Trampled Underfoot
レッド・ツェッペリンのトランプルド・アンダーフットをリスペクトしたBzの曲。
B'z BAD COMMUNICATION (LIVE)
しかし、彼らは徐々に終焉を迎えることになる。その後、ロバート・プラントの大きな交通事故を乗り越えたりしたものの、彼らのヘヴィーなリズムを刻んできたジョン・ボーナムが突然この世を去った。
彼は愛妻家であり、子供思いの良き父だった。そのためツアーが続く生活でホームシックになったこと、そして重度の飛行機恐怖症で深酒がたたり、吐瀉物を喉に詰まらせての窒息死であったそうだ。
失意のレッド・ツェッペリンは彼以外のドラマーはあり得ないとその年にバンドを解散した。メンバーチェンジを度々繰り返し続けた70年代を彼らと共に歩んだディープ・パープルとはまったく異なる道を歩んだ。1980年の冬のことだった。
90年代に一世を風靡したニルヴァーナやパールジャムたちは、ツェッペリンを崇拝し、活動時期の時よりも多くのロッカー達に影響を与えた。彼らは時代に流されず、批判に従わず、常に自分たちの音楽をやり続けたことに多くのフォロワーを生んだのだ。
Led Zeppelin - Kashmir (L.A. 3/25/75)
| 固定リンク
| トラックバック (0)
最近のコメント