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2008年3月20日 (木)

淡々と、しかし刻むように深く。「明日への遺言」

 昭和20年、終戦間際の名古屋を、空襲した無差別攻撃機B29の搭乗員を捕虜とせずに処刑した罪を問う裁判を〝法戦〟として、岡田中将は法廷で米軍の無差別大量殺戮行為と戦う。しかし自らの行為を正当化するというよりも真実を明確にしたい、ということなのだろう。
 弁護人のアメリカ人「フェザーストン主任弁護人」の公平性もまた清々しい。日本を正当化するでもなく、どちらを悲劇化するでもなく。そこに淡々とした、しかし戦争の傷を深く刻むような痛みを感じた。
 獄中の岡田中将に、最後の迎えが来たときに「よし、来たか」(と言ったような意味だったとうろ覚え)と自分の死を迎える強さが印象的だった。

戦争裁判を客観的に論じることの冷静さを、単純に凄いと思った。
戦争自体が大量殺人行為であるわけで、戦争の勝敗は相手の尊い命をどれだけ奪えたか、という争いでしかない。つまり戦争勝利国が人道性を説くこと自体に矛盾がある。まさに〝勝てば官軍〟。

「明日への遺言」
7点 ★★★☆

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