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2008年3月23日 (日)

大赤字の公共テーマパークを再建?「メリーゴーランド」

主人公の啓一は9年前に都内家電メーカーを退社し、Uターンで市役所に勤務、今回の異動で配属された部署は、大きな赤字を抱えるテーマパーク「アテネ村」を再建すべく設立されたプロジェクトチーム。お役所仕事で形式主義の上司や使えぬ部下に囲まれて、孤軍奮闘。さらに「アテネ村」の運営会社=第三セクターのペガサスリゾートは、市役所OBで固められた老人多数・・・。
 読んでいくほどに、税金無駄遣いの危機感のなさ、形式主義と自己利権保全のための事なかれ主義の体制に無性に腹が立つ。。。そんな中でなんとかしようとする啓一もまた小心者、だけど息子の「お父の仕事ってなに?」という言葉に励まさせ、一つまた一つと改革に手を付けていく。・・皆に反対されながら。。
 はちゃめちゃドタバタなゴールデンウィークのイベントは成功を収めたものの、最後は、市長選挙・政戦に巻き込まれ、「アテネ村」と啓一の運命は・・・。

 とにかく最初は、お役所仕事の連続に腹が立つ、腹が立つ。これじゃ赤字は当たり前という流れに、啓一も発憤するが、彼もまたお役人で小心者・・・。しかし色々なことに背中を押されて〝やむを得ず〟前に出て行く。そして昔の仲間や民間会社とともに企画を打ち上げていく・・・が。だけど助け船をくれるはずのそのスタッフ達は、いい加減な劇団だったり、暴走族だったり。笑いを誘う新しい悩みの種を彼に蒔き続ける。

 けっしてかっこいい主人公じゃないのが、味わいある設定。凡庸な主人公だからこそ、アクの強い脇役達が生き生きとしてくる。この作者は「明日への記憶」を書いた萩原浩さん。行政改革本というより、冒険ファンタジー小説のが近い。後半はさくさくと話が進むスピード感があった。ラストの情景は目に浮かぶよう。

メリーゴーランド/萩原浩 7.5点 ★★★☆

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