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2008年4月10日 (木)

♪まゆみのマーチを唄えば・・・「卒業」

重松清さんの4篇からなる短編集。
「まゆみのマーチ」は息子・娘と母親の話、母の死に直面する兄妹。母と妹だけの内緒だった「まゆみのマーチ」を知らされ、今自分の家族が直面してる問題に希望を見いだす兄。ただおとなしいだけと思った母の〝強い〟愛の深さに感動する。

「あおげば尊し」は息子と父親。威厳ある父が病気とともに弱っていく。それを息子として見つめる自分と、教師として見つめる自分。〝死〟という一つの区切りをどうやって生徒に教えられるのか。好奇心と尊厳と、そして愛情の狭間にゆれる。

「卒業」は娘と死んだ父親への想いは。父の死をどのようにとらえて良いのか、そしてそれを乗り越えていけばいいのか。あっけらかんとみえた娘は、しかし内なる葛藤に苦しんでいた。そして父の死を正面から受け止めた時に〝卒業〟となった。

「追伸」は息子と義理の母親。4篇の中で 一番好きな話かな。深い愛で包んでくれた母の死、そして新しく迎えた義理の母。不器用なそして無神経ととられてしまった義理の母。二人の溝は深まったまま、二人は年をとっていき、そして。

それぞれ4篇の話は、違った形だけど〝死〟に直面し、卒業することを正面から受け止めていく。それを迎える寂しさとともに、深い愛情を知って温もりが残る人たちへと。
そんな素敵な気持ちにさせてくれた本でした。お薦めです。

「卒業」 重松清氏

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