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2008年5月16日 (金)

脆いガラス1枚を隔てた白い恐怖と絶望「ミスト」

はっきりいってホラーは苦手である。弱虫と呼ばれてもかまわない、怖いから。
じゃ、なんで観たの?って訊かれると困るけど。
「ショーシャンクの空に」と同じ原作、監督だからだったから(かな?)

で。この「ミスト」という映画。

嵐の過ぎ去った湖畔の街に覆い被さるように襲った〝霧〟
悪夢のような〝霧〟に包まれ、閉じ込められたスーパーマーケット。

見えない霧の中とそこに潜む〝なにか〟への恐怖に人々は焦燥と、疲労も重なりパニックへとなっていく。スーパーマーケット正面の、わずか「ガラス1枚」という、壁と言うにはあまりのも脆い壁を隔てて、その向こうに広がる未知の白い恐怖。

現実的なことしか認めぬ弁護士は、途中ドアを開けて出て行ってしまう。ユダヤ教の中年女性は預言者を装い、〝最後の日〟が来たと人々の気持ちを煽る。そんな狂信者に煽られて正常な判断が出来なくなった囚われのにわか信者たち。霧と怪物を神と崇め、〝生け贄〟を求め差し出す狂気に、おぞましいまでの恐怖を感じる。

そんな中、まだ正常な思考を残している8名はなんとかして、霧からの脱出を試みる。
多大な犠牲を払いながらも。
しかしそんな彼らの行く着く先に待っている【絶望的な結末】。
主人公の慟哭がやまず、エンドコールを迎える。そう、最後の最後まで、彼は目の前の霧に妨げられてしまったのだ。自分たちの未来も。そしてテロップの間に流れる、淡々としたヘリコプターの無機質な音。
言葉にならぬやるせなさに包まれる。

最後に。
幻想的なまでの霧の中、逃げる彼らの車の上を、悠然と通り過ぎる巨大な怪物。
重い地響きとともに、尊大なその姿にただただ心を奪われてしまった。

「ミスト」 6点 ★★★  (エンディングの無念さに-1点、だって可哀想)

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