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2008年7月12日 (土)

海辺のコテージの絵葉書に叶わぬ思い刻み・・・・。    「つぐない」

〝・・カムバック・トゥ・ミー・・〟

多感で想像力逞しい(妄想癖?)少女ブライオニーの勘違いと嫉妬で、償えきれない悲劇を生んでしまった。
映画の中で流れるタイプライターの音と水中の静の世界が淡々とこの世界を刻んでいく。

071226_atonement_sub3 1935年のイギリスでのお話。
政府高官の娘セシーリアと、その屋敷の使用人の息子ロビーは恋に落ちる。しかしセシーリアの妹、ブライオニーの嘘の証言で二人は引き離される。謂われない罪で刑務所に入れられたロビーは、刑期を短縮するため、最前線へと志願出兵する。

戦場の最前線、部隊とはぐれ彷徨い、傷を負いながらどうにか辿り着いたダンケルクの海辺。そこでロビーと二人の兵士仲間の見た世界は、国に帰ること待ち続け、帰る船を待つ何万人もの兵士たちの姿だった・・・。
・・・その中で彼を待ち受けた悲劇が。

償いきれなかった嘘の代償は重かった。
〝償い〟とはなにか。
作家となったブライオニーは、年老いて事実をカミングアウトしようとする。

しかし。
「遺作として真実を語る」とまで言いながら、最後の結末を自分の都合で嘘でまとめてしまった老婆となったブライオニー。
取り戻せない悲劇を生んでしまいながらも、懲りることなく嘘を書いてしまう、この女の性(さが)はいったい何処から来ているのか。いつものまにか〝遺作〟として自己を庇うような表現を使ってしまう。
とても怖い、とても悲しいくらいに恐ろしい、そして可哀想な人間だ。
彼女はいったい何に償おうとしたのか、それは自分の〝罪悪感〟に対して償うものだったのか・・。今の段階では私には分かりません。
もしかしたら最後の嘘に真実以上の〝何か〟があるのかもしれない。
しかし真実以上の嘘が、果たして誰を救うのか。
私はそれを分かるには、まだ人生経験が未熟なのかもしれない。

・・・・・
結局 彼女の嘘は、最後まで償えなかったのではないか?
そう思うとあまりにも悲しい映画だ。

・・・・・
さすがにアカデミー賞7部門にノミネートされた作品だけある。
ダンケルクの海辺の風景、ロビーが兵士達の間を流離う映像は、言葉を失うほどのあまりにも圧巻だった。是非!このシーンは多くの人に観て貰いたい。

セシーリアがロビーに渡した絵葉書の風景が最後に出てくる。離れ離れになった二人の心の支えとなった海辺のコテージは、青い空と蒼い海にとけこんで、とても美しかった。
なんといってもセシーリアの美しく気品ある気丈な存在感に圧倒される。
そして、心に深く刻まれる映画だった。

つぐない」 9点 ★★★★☆

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