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2008年7月 5日 (土)

「いらっしゃ~い!」伊良部精神科医は〝名医〟か〝馬鹿〟か

伊良部総合病院の地下に、その「神経科」はあった。
閑散とした薄暗い、それはうらぶれた世界への入り口のような場所にあった。

「いらっしゃーい」
ドアを叩くと、中から聞こえてくる素っ頓狂な明るい声。
伊良部先生は、太った体をソファーに沈め、短い足を無理に組んで患者を迎える。

訪れる患者はみんな変わっている。

いつまでも泳いでいたいプール依存症のサラリーマン「イン・ザ・プール」、
世の男性がすべて私をつきまとう、ストーカー妄想癖のモデル「コンパニオン」、
確認に確認をしてもまだ心配な強迫神経症のルポライター「いてもたっても」、
携帯電話が繋がらない、メールが来ないと不安になる依存症の高校生「フレンズ」、
尖ったものにパニくる尖端恐怖症になったやくざの若頭「ハリネズミ」、
義父のズラをとりたくてたまらない医学部エリート医師「義父のズラ」・・・・その他大勢

それを受け入れる医学博士の伊良部精神科医はもっととんでもないヤツ。
いきなり
「じゃ、注射しようか、・・・まゆみちゃーん」

呼ばれてくるのは、これも変わった看護婦、マユミ。
無愛想な、でも露出度高い美人看護婦は、情け容赦なく下手な注射する。
注射が終われば、タバコを吹かしながら、ソファーに横になり雑誌をめくるマユミ。

そこから伊良部先生の暴走が始まる。
「ねぇねぇ!」・・・・

とにかくはちゃめちゃだけど憎めない伊良部先生は、患者の難病をいくつも克服していく。それも自分が楽しむ過程で・・・。そこのいい加減さが面白く、痛快!

バカバカしいけど、妙に説得力もあり、でもやっぱりいい加減。
そんな伊良部先生&マユミのコンビの活躍?が続く。

それぞれ5話ずつの構成になっている。どれも良い感じだけど、中でも2作目収録の「ハリネズミ」は秀逸かな。そして、2作目のタイトル作品「空中ブランコ」での伊良部先生の活躍も爆笑もの・・。

そして・・・2作目の「空中ブランコ」はナント直木賞受賞作。
なぜどっちも表紙の絵が赤ん坊なの?それは読み終わった後、よ~く分かりマス!

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「イン・ザ・プール」
(1作目)
 奥田英朗著
 ★★★☆ 7.5点

  

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「空中ブランコ」
(2作目=直木賞受賞作)
 奥田英朗著
 ★★★★ 8.5点

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