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2008年7月 7日 (月)

その事実はあまりにも痛々しく身近なものであった。「クライマーズ・ハイ」

330008view011 〝群馬にジャンボが堕ちた〟
1985年に起こった日航機の事故はとてもショッキングなものだった。
失われた命は520人、その中には坂本九さんもいた。
群馬 御巣鷹山(実際には高天原山が正しい)は、家の近くである。
 その頃、我々夫婦は静岡東部に住んでいたが、当時、妻の母校の体育館にはその遺体と親族、報道陣が戦場だったそうだ。今は建て替えられ面影も薄らいだが、住民、皆の心に深く刻まれていた。

330008view001  映画の内容は、未曾有の事故自体を通して、地元新聞社の闘いを描いた社会派ドラマだ。予算も人員も限られた中で「中央紙に負けまい」と言うジャーナリズムの意地をひしひしと感じた。しかし、あまりにも大きすぎる事故に、新聞社員、記者達は自分を見失い浮き足立つ。深夜の下版ぎりぎりまでの原稿との闘い、人によっては精神的極限に追い詰められ悲劇も起こる。
 そんな中、この件で全権デスクを任された悠木は熱く、しかし冷静であらんとする。
新聞マンとしての誇り、一社員としての葛藤、社内上層部とそして同僚との確執、部下との信頼関係。
330008view007  そんな悠木は、まだ中央紙も取り上げていない偶然知った「大きなスクープ」を目の前にして、重要な決断を迫られる。深夜1時過ぎ、輪転機が朝刊の印刷を始めようする。
彼の頭に横切ったのは、かつて観た(そして彼の人生を決めた)映画の1シーン。
そこに語られた「チェック、Wチェック」

映画としては140分を超える大作。
事故発生後の1週間の流れだけでなく、事件を過去のものとして振り返り、山を登る悠木の姿を同時に登場させている。
確かに意見としては、折角の現場の緊迫感が途切れた、必要のないカットになったという気もする。しかし、その気持ちは時間が経つことで徐々に弱まった。
〝あれはあれで必要だったのかも・・〟と。
あまりにも多くの死という殺伐とした事実の中に、あの谷川岳の絶景は〝生きることの意味〟を感じさせる挿話だからかもしれない。

ただ社長のセクハラ場面は、必要性を感じない気がする。

今回の舞台になった北関東新聞社。
そのロケ現場は、実は自分の勤務先(移転前)の道を挟んだビルだった。映画を観て驚いたし、あまりにも見覚えのある風景に、なにか現実と非現実が交錯した。
事故はあまりにも痛々しく、そして身近であった。
堤真一、堺雅人、滝藤賢一・・ 名優俳達の熱演に拍手を送りたい。

「クライマーズ・ハイ」 8.5点 ★★★★

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