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2008年8月 9日 (土)

人間を描く。人生を描く。静かな魂を描く。「ぐるりのこと」

カレンダーが刻まれる。夫婦の日々が過ぎていく。
子供を得た幸せ、そして喪う悲しみ。
乗り越えられずに心を失い壊れていく。

Dl_img1 夫 カナオ(リリー・フランキー)は飄々と生きていこうとする。
妻 翔子(木村多江)は必死に追い詰められた心を取り戻そうとする。
夫婦の熱演に引き込まれていく。痛いほどの感情のぶつかり合いは、演技を超えた凄まじい迫力を感じた。
夫 カナオの言葉も素敵だった。妻の心の叫びを真っ正面で受けるのではなく、優しく包み込むように、溶かしてしまうような淡々とした言葉。余計なBGMを入れない、〝静〟の使い方が実に巧い映画だと思った。

二人の心を支え続けたのは絵。
夫は、法廷画家として、悲しく陰惨な事件の被告者達ををデッサンし続ける。
妻は、院の尼僧に依頼を受け、天井画に打ち込む。

Dl_img2 そして・・・。
二人は手を握り合う。この10年もの夫婦の日々を確かめ合うように。
苦難をともにし、そして乗り越えた絆がそこにあった。
夫婦とは時間をともにするもの、それが暖かな感動を与えてくれる。

ここには3組の夫婦が描かれている。
カナオ・翔子の夫婦。そして翔子の兄夫婦。さらに翔子の両親。
それぞれが異なった夫婦の絆を魅せてくれる。いずれも決して優等生ではない、どこにでもあるような悩みと悲しみを背負った夫婦なのだ。
(偉そうなことを書いた・・・。自分が恥ずかしい・・)

テーマ曲も素敵でした。Akeboshiさん、エンドロールに流れた唄は心に染みました。
もっと多くの映画館で上映して欲しい映画だと思う。

ぐるりのこと。 8点 ★★★★

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