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2008年9月12日 (金)

淡々と過ぎていく、でも確実に変わっていく日常「卵の緒」

4117tk1cgsl__ss500_ 「絆」・・・不確かな繋がりを、生活の中で確かめる愛。

2つのお話からなる。

「卵の緒」 「7’s Blood」

「卵の緒」は母と子、「7’s Blood」は異母姉弟のお話。
いずれも〝不確かな絆〟を手探りするかのような、淡々とした愛情を感じる。
瀬尾さんらしいまったりとした世界観。瀬尾さんの作品は、必要最小限な登場人物で構成され、それだけに一人一人の存在感が高い。
彼らの言葉、息づかいが生々しく、といって力が入っているわけではない自然体のところが、優しく暖かく、そして時に痛々しく「違和感」を出してくれる。それがまた心地よい。

2話とも大きな事件があるわけでもなく、淡々と時間が過ぎていく、その自然体の世界。

いずれも作品も、食事をするシーンが印象的だ。家族爛漫の食事風景、豪華な会食なんかじゃない。一般的な、ときに寂しい食事シーンだったりする。
でも、そんな食事をする風景を描くことで、それぞれの人物像を間接的に描き出している。その人となりが、食事をするときに顕れるってことなんだなと実感。

この作品は、瀬尾さんのデビュー作で、「坊ちゃん文学賞」大賞受賞作。

「卵の緒」 瀬尾まいこ著 7点 ★★★☆

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