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2008年10月11日 (土)

「代数の問題に見せかけて微分積分の問題」容疑者Xの献身

330418view001 この事件の謎解きになったキーワード。
「代数の問題に見せかけて実は微分積分の問題」

そしてこのキーワードはこの映画自体のキーワードでもあるのだ。
主人公が福山雅治のガレリオの映画に思わせて、実は堤真一と松雪泰子のすれ違いの悲恋ドラマなのだ。

330418view004 天才的といわれたその論理的思考で、この事件をいくつもパズルのように証拠とアリバイとを張り巡らせ、捜査の攪乱をさせる容疑者X。もはや揺るぎないアリバイをつきつけられてしまった捜査陣。もはや迷宮入りかと思わせたその時。
容疑者Xのこぼした言葉がよみがえる。
〝代数の問題に見せかけて微分積分の問題だ・・〟

330418view006  容疑者Xの思い詰めた心の葛藤。論理的思考で片付けられない人間の業が出口の見えぬ愛に落ちていく。その人の暗いやりきれなさを演じた〝石神〟こと堤真一。

 そしてある事件からその偏愛の重さが負担になり、思い悩む。
元に戻れないその事実に、髪も乱れ 心がやつれていく。その薄倖の女性を演じた〝花岡〟こと松雪泰子。

この二人の演技がこの映画の魅力そのものになった。

330418view005「君はいつまでも若々しくていいなぁ」
報われぬ愛に心の吐露のように吐いた言葉、そのしわ深くうつむいた表情。
大学に残れるほどの優秀な頭脳を持ちながら、家の経済的事情で研究の道を閉ざしたその天才は、冷たい風にその背を丸め、彼自身が絶望した街の中へと消えていく。

330418view003 このままではこの愛におぼれたまま自分を見失うと恐れた石神は最後の手段に。
しかしそれこそ石神が取りたかった〝愛の表現〟そのものではなかったか。
自己の行為に代償=愛の見返り=を求めてしまった非論理的行為(=花岡への恋)に、彼は終止符を打ちたかったのではないか。

獄中の寝床で、天井のシミと傷を見つめながら、四色問題を解く石神は、その呪縛ともなった全てから はたして解放されたのだろうか。

330418view002_2 そして。
完璧と思われたこの石神のシナリオが、Xの残した言葉によって湯川(福山雅治)の前に暴かれてしまい、湯川の口から真実を知った花岡の溢れる涙を、石神がみた時。

受け入れることの出来なかった思い、受け入れて貰えなかった思い。凄まじいばかりの激情がぶつかる。二人に慟哭と嗚咽の涙。まさにクライマックス、圧巻の演技に観る者の胸に熱いものがこみ上げてくる。息を呑む瞬間。

とにかく堤と松雪の演技に圧倒された。
ただダンカンの配役も否定はしたくないが、この前観たばかりの「純喫茶磯辺」で女性に絡むエロオヤジの印象が強すぎて・・。今回もエロオヤジに見えてしょうがなかった。
その点、松雪は「DMC」のデスレコードのドS女社長の印象を見事払拭した!さすがだ?

「容疑者Xの献身」 8点 ★★★★

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