« 「大人のラーメン」グランプリ大賞の味~ラーメン天神下 大喜 | トップページ | ティンクにしか出来ない仕事を知った時に~「ティンカー・ベル」 »

2009年1月 9日 (金)

精神病疾患の患者の視点から描いたミステリー名作。「閉鎖病棟」

九州のある精神病棟で起こった事件。その人間模様に涙する。

社会からも家族からも疎外された精神疾患患者たちを現役医師が、患者側からの視点で愛情を込めて書いたサスペンスドラマ。
それぞれの入院患者の人生を丁寧に描くところから物語が始まる。島崎さん、秀丸さん、昭八ちゃんのエピソードから入り、そして全員が入院(通院)する精神病施設が舞台となる。

お互いを愛称で呼び合う共同生活で、それぞれの人生を生きている生き様を筆者は優しい視点で描いており、それがとても暖かい。精神疾患患者が身近にそして読み進むうちに一人一人が親しく感じていく。筆力の確かさを感じる。

しかし後半に残念な事件が起こる。それは今まで均衡を保っていた病院内の人間関係を崩壊していく。そして話はドラマチックに終焉を迎える。

話は小手先で演出やどんでん返しをするものではない。淡々と、でも心に浸みる結末を迎える。時間があるときに読んで欲しい1冊です。いつまでも心に残る名作だと思う。

山本周五郎賞受賞作。

「閉鎖病棟」帚木 蓬生 著

515yvmb0nxl__ss500_

|

« 「大人のラーメン」グランプリ大賞の味~ラーメン天神下 大喜 | トップページ | ティンクにしか出来ない仕事を知った時に~「ティンカー・ベル」 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 精神病疾患の患者の視点から描いたミステリー名作。「閉鎖病棟」:

« 「大人のラーメン」グランプリ大賞の味~ラーメン天神下 大喜 | トップページ | ティンクにしか出来ない仕事を知った時に~「ティンカー・ベル」 »