現代への警鐘として受け止めたい。「誰も守ってくれない」
事件の加害者家族の一側面をリアルに教えてくれる社会派問題作。
いきなり18歳少年の殺人容疑で捜査令状により家宅にて逮捕される場面から映画が始まる。マスコミの興味本位で面白おかしく報道する姿勢、ネットでは匿名での2ch掲示板の世界での個人情報の飛び交い追い詰められる容疑者家族の姿を描いてる。
始まっていきなりの展開、とまどう加害者家族は状況を正しく認識できない。そんな中で、加害者家族保護のために「保護マニュアル」に沿って淡々と民事処理がされていく光景は、恐ろしくもある。知られていない世界に観るがわも引き込まれる。
映画の後半まで人間不信になりそうな場面の連続で、マスコミバッシングとネット社会のモラルのない攻撃に怒りを覚えながらも、終わり無い旅の行く末を案じてしまう。映画の内容が救われない内容なら、せめて未来への打開策をみせて欲しいと願っていた。映画自体の脚本は良くできていて、佐藤浩市はじめ志田未来の熱演が光っており、現代への警鐘という意味でも観るべき映画化も知れない。
「誰も守ってくれない」 7点 ★★★☆
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