勝人の目指した海、春海に見せたかった海「ヘブンズ・ドア」
突然、余命数日と宣告された勝人(長瀬智也)と、同じく1ヶ月の命と言われている14歳の少女 春海(福田麻由子)が出逢い。長い病院暮らしで、海を見たことのない春海に 海を見せてやるんだと、勝人が春海を病院から連れ出して海を目指す。
「天国じゃ、みんな海の話をするんだ」
人生の最後を演出したい。せめて自分の思い通りに生きようとする二人の逃避行が組織と警察に追われながら続いていく。海を目指す二人は、途中寄り道をしながらも病院では味わえなかった「生きている」ことを実感していく。変に話を恋愛に結びつけなかったことも良かった。
「残されたわずかな時間をどのように生きるか。」
映画としてテーマになりやすく、ややもすればチープな映画作りになってしまう内容を、あまり大げさにしすぎずに美しい映像で雰囲気を出したのが良い感じになったように思う。
なぜ勝人は、あえて遠い海を目指したのか、その答えを映画の中で出さずに観る人の感性に委ねたのが良かった。最後のシーンは、観る人がじっくり考える場面でもあると思う。それぞれの答えがあっても良い。それもまた映画の面白さかも知れない。
「ヘブンズ・ドア」 6点 ★★★
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