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2009年3月27日 (金)

宇多田ヒカルの「I LOVE YOU」

尾崎豊の一番有名なヒット曲は「I LOVE YOU」と答える人が多いと思う。なんでもこの曲は当時のプロデューサーが「アルバム用にバラードがもう1曲欲しい」と言われた尾崎がその場で出だしの「I LOVE YOU♪~」の部分を即興で口ずさんで完成したらしい。

尾崎自身もこの曲を完成度の低い曲として、そんなに思い入れも深くないようなことも話しているみたいだけど・・。この「I LOVE YOU」は、他の尾崎の曲と違って、出てくる男女二人を天井から見つめているような客観的な世界を描いている。

「二人はまるで捨て猫。
 この部屋は落葉に埋もれた空き箱」

「きしむベッドの上で優しさを持ち寄り、
 きつく躰抱きしめあえば」

 (尾崎豊 詞)

まるで映画のシーンのような客観的描写は、他の尾崎の世界とは確かに違う。
ただその後の詞が、自分にはなかなか理解できなかった。

「それからまた二人は目を閉じるよ。
 悲しい歌に愛が白けてしまわぬように」

なぜ「悲しい歌に愛が白けるのか」が分からなかった。
そんな話を人にしたことがあった。
悲しい歌によって、愛をむしろ切なく、確かめ合えるんじゃないかなって。

ただ。
こうも考えてみた。

「何度も愛してる?って訊くお前」が不確かな愛を不安に感じ、悲しい歌への心もとない恐れを感じてる・・とすれば。
そのことが、悲しい歌への拒否(現実逃避?)につながっていくのかも知れないと少し思うようになった。

重ね合う愛が、悲しい歌とともに醒めていくことの無いように、
目を閉じることで二人の愛を認めてくれない空間は無(闇)となる。
その空間で二人だけの肌と肌の触れあう・・
そうして・・。
「二人だけの確かな世界」を肌で確かめられるのかもしれないね。

(って・・おっさんには愛を語る程の純粋さを失っているから(>_<))

宇多田ヒカルがこの歌が好きで、よくステージでも歌っているそう。以前には感極まって歌ってる途中に泣いてしまったとか。そういう詞の深さを考えながら。あらためて歌の持つ力の強さを感じる。

「I LOVE YOU」by宇多田ヒカル。

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