稀代の戦術家、二人の艦長をオリオンが導いたもの「真夏のオリオン」
第二次世界大戦末期、アメリカ海軍の沖縄攻略の燃料補給路を絶つため、日本海軍はイ-77をはじめとする5隻の潜水艦を配備した。イ-77の艦長・倉本(玉木宏)やイ-81の艦長・有沢たちの前に立ちはだかるのは、智将・名将スチュワート艦長率いる駆逐艦パーシバル。
駆逐艦パーシバルは、卓越した戦術で日本の潜水艦防衛ラインを切り崩していく。倉本艦長とスチュワート艦長、稀代の天才戦術家二人による海上と水中からの息を呑む頭脳戦・命をかけた巧みな戦術の攻防が繰り広げられる。命の大切さを知る二人による命の奪い合いが・・。
水中深く姿を消したイー77。駆逐艦は水中探知機ソナーでその位置を探索する。そこへ静寂の深海深くに流れるハーモニカの調べ。「真夏のオリオン」の美しいメロディーに駆逐艦は耳を疑う。それは魚雷1本を残すのみとなった潜水艦と駆逐艦との最終決戦を告げるものだった。
終戦後64年の時間を経て届いた1枚の楽譜にまつわるドラマ。戦争映画と言うよりも恋愛映画。冬の星座オリオン座も、夜明け前なら夏でも見えるという。それは吉兆と語り継がれていた。そのオリオンを見上げる、倉本艦長とスチュワート艦長が思いを語るシーンも印象的。
オリオンよ。愛する人を導け
帰り道を見失わないように
(真夏のオリオンの楽譜に託されたメッセージ)
何度も苦境に立たされる倉本艦長。
「艦長、どうします!?」「艦長!!」
動揺する乗員を見回して冷静に一言。
「飯(めし)にしよう」
腹が減っては戦は出来ぬってことね♪
「真夏のオリオン」 8点
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