「強く生きる」ために過去より未来への10分を。「20世紀少年<最終章> ぼくらの旗」
ともだち歴3年の2019年、世界は世界大統領「ともだち」が君臨しその独裁支配下となっていた。殺人ウイルスがまん延する東京は高い壁で分断され、その壁の中は1960年頃の日本が再現されていた・・。そこに生活する市民の行動は完全に戒厳令下、制限されていた。
そんな中「8月20日に地球は消滅する」と予言をする「ともだち」に抵抗するヨシツネ率いるケンジ一派。そしてそれから意見の相違で離れたカンナは「氷の女王」と呼ばれ反政府組織として武装蜂起を謀る。そこに壁を越えてやってきたオッチョともう一人「矢吹丈」。いよいよ最終決戦迫る。
3部作でつくられた「20世紀少年」もいよいよ最終章。「ともだち」とは誰なのか。「お面」の隠されたその素顔にはいったいどんな想いと過去があるのか。原作の浦沢さんの傑作に忠実に作られ、出演者も原作のイメージを尊重し、原作へのリスペクトを感じられて好感もって楽しめた。
最後の10分、衝撃の結末。しかしそこは過去への謝罪、清算という若干、自己満足を感じてしまった。すでに多くの人が命を失った中で、もはや変えられない過去に戻って『謝れば済む』問題にしてしまったことは残念でならない。残された人類がこの一連の事件から何を学んだのか。どう未来を拓いていくか。
「強く生きる」ことはそう言うことではないのか?あえてラスト10分に問いたい。
「20世紀少年<最終章> ぼくらの旗」 6.5点★★★
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