「西村君どうしよう、なんか楽しいよ」南極料理人
生物はおろか、ウィルスまでも生存できない氷点下54度の極寒の世界、昭和基地からも遠く離れた南極ドームふじ基地に8人の男が1年半の単身赴任を命じられる。料理人として赴任することになった西村(堺雅人)の仕事は、望む者・望まざる者混合の8人の胃袋を満たすこと。
想像を絶する南極の共同生活は、悪戦苦闘の毎日で絆も深まるが、ノイローゼになるモノも出て、喜怒哀楽の日々。「身体がラーメンで出来てるんだよ」と言いきる気象学者タイチョー、家族の反対を押し切って「やりたい仕事がここでしか出来ないだけなんだけどなぁ」とぼやく雪氷学者の本さん。
南極調査隊の知られざる生活を紹介しつつも、そんな厳しい環境で人は如何に生きていくのか、その逞しさも感じさせてくれる。変化無く流れる調査研究の日々に、ちょっとしたイベントで喜びを味わうことも微笑ましい。そして美味しい料理を食べることへのこだわりもまた強くなっていく。
個人的には呑んべぇ医者のドクターが良いスパイスになっていて好感。ラーメンに執着するタイチョーがラーメンを食べる姿はホントに美味しそうだった。「海っ老フライぃ~」と合唱する隊員、そしてその海老フライをテーブルで見つめる隊員の姿に思わず吹き出す。とっても暖かくなれる珠玉の1本だった。
「南極料理人」 8点★★★★
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