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2009年9月24日 (木)

プールサイドに人は集い、願い、交わる。「プール」

M_large さよ(伽奈)は卒業旅行でタイ北部の古都、チェンマイへ訪れた。初の海外旅行でここを選んだのは、母 京子(小林聡美)が働くゲストハウスがあるから。久しぶりの再会もぎくしゃくしたのは、母がさよを預けて一人、チェンマイへと旅立ったから。そしてそこでは 母京子はタイの少年ビーが同居していたのだった。

S4_large その事実にショックを受けるさよ。実の子を祖母に預けてほったらかしてタイの少年と一緒に住んでいる現実をなかなか受け入れられない。しかしチェンマイのゲストハウスで過ごす時間の中で、オーナーの菊子(もたいまさこ)や手伝いの市尾(加瀬亮)との交流で徐々にさよの心は穏やかにほぐれていく・・。

S2_large 小林聡美、もたいまさこ出演で「かもめ食堂」テイストを期待しての鑑賞。残念ながらその期待に応える内容でなかったが、チェンマイ独特の時間の流れ方、そして織り込まれるサイレントシーンに会話以上の「何か」が伝わってくる。まったく異なる5人が出逢いそして交わる中で変わっていく。

S3_large 淡々と心地よさを感じる映画だった。願いを込めて空に飛ばすコムファイ(火の入った紙の熱気球)、5人の姿がプールの水面に映るシーンが印象的だった。母と娘の距離が近づいた。残念なのが、映像が8ミリで撮ったかのようなモワっとした暗い映像だったこと。チェンマイの空と空気が伝わってこなかった。

S1_large2_2 しかし、小林聡美のギター弾き語り、ステキな雰囲気です。あと、足を浸すだけのプール、その深入りしない浅さこそが心地良いのかも知れない。それから・・タイ料理がもっと出てくるのかと期待していただけに、それが残念。そして最後にプールサイドのチェアの菊子が穏やかに運命に身を委ねたのが印象的でした。

プール」 7点 ★★★☆

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