信州白濁の名湯を訪ねて(5)乗鞍高原温泉 民宿 山栄荘(お風呂編)
白骨温泉から上高地乗鞍スーパー林道を通って乗鞍へと向かいます。雪景色の林道は墨絵のよう、山々の景色が素晴らしく目を奪われそうですが、路面スリップと対向車に気をつけながら、走ること15分くらいかな。山道から人里におりて来たって感じ。乗鞍岳がとってもキレイに見えてきました。乗鞍高原温泉到着。
今日の宿は民宿山栄荘。チェックインは3時ですが、時間はまだチョット早い。
「こんにちは~」
玄関をあけて声をかけても誰も出ません。しかし不用心なまでの開けっ広げ。
ふと玄関先を見ると紙切れが。
(ご用の方は裏にいます)
なにこれ、このミステリーな展開。
裏に回ると、おっちゃんが大工仕事をしていました。いっきにミステリーな展開から北の国からの展開に・・。倉庫?かなにかかな組み立てるところ。声をかけても聞こえない様子。何度か声をかける度に、声のボリュームを上げていきます。
「すみませ~ん!!山栄荘のかたですかぁ!!!」
「ああ、そうだけどぉ!?」
(おめぇ誰だ?)顔をこちらに上げて、胡散臭そうに答えました。やっと聞こえたようです。
「今日、宿の予約をしてたものです!」
「ああ~この天気だからこねえかと思ったよ」(笑)
おっちゃんは(ああそうか)と顔を崩して、笑顔になって答えた。
「耳が遠いんで聞こえねえんだ」
おっちゃんはそのまま作業を続けながら、おっきな話す。
人なつっこそうな笑顔が、人の良さを伺える。
「1Fの○○○室、開いてるから!部屋に入っててくんねぇ!」
「わかりましたぁ」
「お風呂にでもはいって、のんびりしててぇ」
おっきな声で返事して玄関にまわる。意外とおっきくてきれいな部屋だ。荷物を置いてくつろいで、この宿の温泉へと入ることにした。乗鞍高原温泉の源泉は、白骨と同じく、硫黄臭のある乳白の濁り湯。でもこっちの方が濃い感じ。
檜造りの内湯は、滑らかな湯船と木の温もりが優しい。硫黄の匂いが漂う浴槽に、白く濁った源泉が掛け流しで溢れている。民宿と舐めてはいけない、この湯船に感動しつつ肩までつかると思わず声にならない声がこぼれてしまう。お風呂からでて部屋でのんびり寛いでいると、宿主のおっちゃんが来て暖炉に火を入れてくれながら一言。
「今日はさぁ、あんたっちだけだから、お風呂も好きなだけはいんな」
ここは露天風呂貸し切りもしているそうだけど・・露天風呂どころか、宿貸し切り状態で好きなときに好きなだけ源泉掛け流しの濁り湯に入れる贅沢さを堪能です。特に一番の感動は夜の誰もいない静寂の露天風呂。
誰もいないから電気を全部消して真っ暗な中、露天風呂に浸かると・・頭上には満天の夜空に、もの凄い数の星が。こんな数の星って観たことありません!自然のプラネタリウムに大感動、いつまでも飽きることなく名湯に浸かりながら宇宙を体感。ホントさすが乗鞍高原。星空に手が届きそうでした。(次は食事編)
山栄荘
住所:長野県松本市安曇4085-68です。
電話:0263-93-2715
源泉:単純硫黄温泉(硫化水素型) 弱酸性低張性高温泉
http://www.mcci.or.jp/www/saneiso/
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