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2010年5月 5日 (水)

信州白濁の名湯を訪ねて(4)白骨温泉 山奥の情景

 幕末、武州の浪士、机竜之介は「音無の構え」で無類の剣客であったが、大菩薩峠で老巡礼を意味無く斬殺してから修羅の道を進むこととなり、多くの殺戮を繰り返す。
 ところが「天誅組の変」に関わったために、竜之介はその騒動で失明してしまう。そんな竜之介を献身的に世話をした女性が、生活苦から自害。しかしそんな女性の死すらも悲しむことなく、竜之介の流浪の旅はさらに続き、辻斬りを繰り返しながら、やがて白骨温泉へとたどり着いた・・。

(『大菩薩峠』(中山介山著)

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Dscf0587 雪山に這うように走るスーパー林道を巡って辿り着く先に、現世から遠く離れた静穏の谷がある。山肌に積もった雪が、幽玄なモノトーンの世界を創る。

白骨温泉。
北アルプスの麓、深山の渓谷にこの温泉地はある。独特の白濁湯は全国的に名の通った温泉でもある。

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白骨温泉は江戸 元禄時代に開湯された。
その『白い骨』という、不吉な名前には、かつてもう一つの名前もあった。
白い船』だ。

温泉成分の石灰質が、湯船に落ちた木の枝を白骨のように染めるから白骨。
もうひとつの『白い船』の方は、石灰質が湯船を白く染めるから白船。

連載当時 映画化されるなど、大変な人気を博した長編小説『大菩薩峠』(中山介山著)で、その作品中に出てくる この温泉地名を『白骨』と書いたため、白骨温泉で名前が統一されたそうだ。

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連続殺人魔として怖れられた盲目の美剣士 机竜之介と、この静かな山峡の秘湯の里とは、あまりにもかけ離れた存在にしか思えない。彼の冷酷な非業の数々は、この癒しの白い湯でも身体に染みついた、呪われた血痕を落とすことは出来なかった。

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作者 中山介山氏は、本作品を未完のままこの世を去った。介山氏は竜之介の湯治の地として、なぜ ここ白骨温泉を舞台にしたのか、その理由をはっきりと残っていないようだが、「白い骨」という不吉な言葉と、竜之介の残忍な魔剣士とイメージを重ね合わせたのかも知れない。・・白骨温泉の後は乗鞍高原温泉へと向かった。(つづく)

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・・3日間、この日記はお休みして明日は映画記事等をアップします。

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コメント

白骨温泉は何回か行ったことがありますが、行くまでの距離感というか、山に吸い込まれていくような感じがたまらなく良かったと記憶しております。雪景色も素敵ですが、これからの芽吹きの時期もいいらしですよ。

投稿: ノリのり | 2010年5月 5日 (水) 09時55分

 おっ、今回は文学モードですねー。白骨温泉と大菩薩峠。
 雪の中の温泉というイメージが似合っていますねー。

投稿: マサエ。 | 2010年5月 5日 (水) 15時04分

大菩薩峠登ったよー。6月頃だったかなあ。
こんな殺伐とした話だったとはね。
道理で大菩薩峠へ行ったと、親に言ったら妙な顔されたわけだ。
でも、尾根は広々としていて見晴らしが良いし、高山植物も咲いてて、ちょっと険しい所もありつつ、山歩きには格好の素敵な峠でしたがねえ。
白骨温泉には行った事ないなあ~。

投稿: なち | 2010年5月 5日 (水) 21時42分

ノリのりさま☆

芽吹きの時期も良いんですか~。何度も白骨に仕事で行かれたノリのりさんのお話ですから、さぞや絶景なんでしょうね。雪景色の白く眠ったような景色が、新緑では生命に溢れているパワーがあるのかな、是非行ってみたいです!

投稿: lastsmile | 2010年5月 6日 (木) 05時27分

マサエ。さま☆

はい、ちょっと目先を変えて・・(^_^; 
殺伐とした中にニヒリズムというか。そんな世界とこの雪の白骨の風景が重なってきて。少し文学青年(じゃない、おっさん)に浸りました・・coldsweats01

投稿: lastsmile | 2010年5月 6日 (木) 05時31分

なち師匠☆

師匠は大菩薩峠に行ったことあるんすね~。
自分もよく知らなかったとこも多いんで、あらためて大菩薩峠と白骨温泉郷の世界を実感しましたよ。机龍之介は日本文学で初?のニヒルダークって存在らしく、この手に弱い女性がけっこうまいったらしく・・。盲目のイケメンで、でも冷酷で。まさに悪い奴から目が離せないってこと?

投稿: lastsmile | 2010年5月 6日 (木) 05時35分

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