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2010年7月 5日 (月)

自らの医師生命を失うことも厭わぬ孤高の魂「孤高のメス」

336173view013 母・浪子夏川結衣)の葬式を終えた一人息子の弘平成宮寛貴)は新米医師。一人田舎の病院で働く母に一緒に暮らそうと声をかけるが、母は田舎の病院から離れることがなかった。そんな母が病院内で倒れ、たらい回しにされた挙げ句その命を失った。弘平はそんな母を「貧乏クジを引いてしまった」とぼやく。

336173view007 母の遺品を整理する弘平は何気なく母の1冊の日記を手にした。そこには母の言葉とは思えぬ一言が・・。
今日もまた後味の悪いオペになった。看護婦という仕事が嫌でたまらない
1989年、浪子の勤める市民病院は腐敗した大学病院依存だった。そこに当麻堤真一)が赴任してきた・・。

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336173view004 看護士であるシングルマザー浪子の視線から、外科医・当麻を淡々と描かれていく。「ただ目の前の患者を救いたい」という当麻は、患者の命を救うだけではなく見栄と体裁ばかり気にする腐敗した病院体質にもメスを入れていく。そんな彼を変人扱いする周囲も、反発しながらも卓越したオペ技術に一目置くように。

336173view005外科医の仕事は手編みのセーターをこつこつと編むようなもの
見事な外科技術を「ブラックジャックのようだ」と褒め称える市長に対して当麻はそう答える。何度もスクリーンに出てくるオペ風景は、まさに命を紡ぐかのように、その真摯な視線は丁寧に慎重にしかし時間と闘うかのように患部を扱う。

336173view001 派手さのない映画だが、夏川、そして余貴美子といった実力派の演技が光る。当時はまだ法的に許されてない「脳死肝移植」の関係当事者の心情が丁寧に書かれている。そして浪子の当麻に対する愛情にも似た尊敬と憧憬の想いも清々しい。最後に弘平のとった行動は微笑ましく素晴らしい余韻を残した。

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余談(若干ネタバレ・・これから観ようとする人は読み飛ばしてね)
336173view012 映画を観た人なら分かる都はるみの存在感(笑) 当麻の意外な人間的一面、オペスタッフに不評でむっとする当麻もまた(笑)・・映画を観た後もしばらく口ずさんじゃった。ええ、こぶしを回しながら・・。
さよぉ~なぁら~、さよなぁら~、好きになぁった人~
浪子が当麻に語る最後の言葉は、本人も無意識の、もしかしたら浪子の精一杯の告白だったのかも知れない。

孤高のメス 9点 ★★★★☆

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