カテゴリー「お気に入りの漫画」の23件の記事

2010年7月 4日 (日)

君に届け11巻と映画化のお話

「君に届け」もいつの間にか11巻まできました。1~2巻の感動から、いつのまにか普通の恋愛漫画になりつつあるも、ついつい買い続けてもう11巻目。すでに爽子ちゃんと風早くんは公然の仲になっているので、この二人の爽やかカップルがどんな恋を続けていくか。

そんな「君に届け」、素敵なシーンが2つありました。

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矢野ちん「風早にあんたは無理よ
くるみ「!!・・・

矢野ちん「あんた、アレだね。
    あたしが男だったら良かったのにね。

矢野ちん「そしたら
    あんたの汚いところ全部分かってやるのに。

くるみ「・・・余計な・・お世話よ・・

(好きな風早を振り向かせるために、悪い噂を流したりしたくるみ)

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龍 「・・・・千鶴、オレの長所しってる?
千鶴「へ?

龍 「小学校のつーしんぼに書かれてたやつ。
千鶴「ボーズのとこ?
龍 「ちがう。」
千鶴「うそつかないとこ
龍 「ちがう。」

千鶴「やさしいとこ
   誠実なとこ・・

龍 「・・・
千鶴「愛情深いとこ

龍 「・・気の長いとこだよ・・

(千鶴に思いを寄せる龍、しかし千鶴はその龍の、結婚した兄に惹かれていた)

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この作品は、こんな言葉のやりとりが、センスいいですよね。

Dsc01054 さてさて。
そんな「君に届け」、映画化って知ってましたが、なんと高崎の会社のすぐそばでロケをしてました。ホンの2~30mくらいの場所です。会社の同僚が帰社してきて、
「外で凄い人だかりですよ」
「映画のロケをまたしてるみたい」
(結構やってるんですよ、ここ)
「君に届けっていう少女漫画のロケみたいですよ」

耳がダンボになって、一人事務所を抜け出して見学するlastsmile君。この前も「BECK」の撮影してたし、その前は「少年メリケンサック」と「時をかける少女(仲里依紗版)」
でもね。映画の中ではその場所は高崎じゃないの。なんだかな~。でも嬉し♪

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2010年3月 1日 (月)

叙情豊かな世界で心の琴線に触れ・・。「海街diary 3 陽のあたる坂道」

大ベテラン 吉田秋生さんがスローペースで書き綴っている海街シリーズの第3弾。鎌倉を舞台に四姉妹の日々と成長を描くこの作品、父の一周忌から始まる今回は、長女・幸四女・すずの恋話を絡めて、ゆったりとしみじみと語り継いでいきます。
思いで蛍」「誰かと見上げる花火」「陽のあたる坂道」「止まった時計」の4編が収められています。このサブタイルの付け方も上手いなぁ。

Dscf2710 幸とすずの話が中心ですが、次女の佳乃のお酒大好き、酒豪っぷりの話には笑えますし、三女・千佳の天然ぶりも相変わらずでほのぼのと本作を彩っています。少年漫画とか少女漫画とかを越えた、吉田ワールドを作った感じがします。

映画を観るような風景と人物の描き方は、時には遥かの世界を見渡すかのように遠く、時には内なる心理の中まで描くかのように深く。マンガだけども小説を読むかのように深く伝わってきます、あらためて吉田さんの筆力の高さに魅せられます。
漫画が苦手じゃない人で、この作品を見たことがない人は、機会があったら見てほしいな、そんな作品です。

海街diary 3 陽のあたる坂道 吉田秋生(flowers コミックス)

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以前の海街ダイアリーの記事は↓こちらからクリック

鎌倉の四季を感じ、家族の絆を想う。「海街diary 2 真昼の月」

鎌倉4姉妹の暖かさ「海街diary 1 蝉時雨のやむ頃」

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2010年1月20日 (水)

憧れの剣との対峙、そしてその先に見えるもの「バガボンド」32巻

Bagabond1 バガボンドもついに32巻、吉岡一門との決闘の傷も癒えぬまま、旅に彷徨う武蔵だが、少年時代より憧れていた剣鬼 伊藤一刀斉と対峙することとなる。達人同士の闘いは、お互いがどれだけ自分の奥を隠し続けられるか。「天下無双」とは言葉だけだ、その柳生石舟斎の言葉が頭に呼びかける・・。勝者は?

Bagabond4 井上氏の公式ホームページで、12年続いたバガボンドも今年2010年に終了するという発表があった。はたして今の氏の筆スピードと丁寧さで、年内に佐々木小次郎との決闘まで描ききれるのかはなはだ疑問ではあるが、意図として小次郎との決闘で本作品の終焉を終えたいということのようだ。歴史的名作に最後まで立ち会い、付き合わねば。

バガボンド32巻 井上雄彦

Bagabond32

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2010年1月14日 (木)

初めてのごくせん体験、任侠先生が現代の教育へぶつかる。「ごくせん」森本梢子著

Gokusen3 ごくせんは、仲間由紀恵さん主演のドラマや映画で人気だけど、まだ観たことがなかった。いつもあまりドラマを観ていないので、どうしても観ず嫌いになってしまう傾向がある。
今回、東京のクールビューティーMさんから「面白いから読めや!」と命令が下り、お借りして拝読したが、これがなかなか面白かった。

不良高校として名高い学校の新任先生として赴任した山口久美子は、おさげにめがね、ジャージといった一見地味な風貌だけど、その正体は実は、広域やくざ黒田組三代目

Gokusen2 ちょっと世間ズレした感覚だけど、持ち前の任侠心で最初は相手にさえしなかった不良生徒から徐々に認められ、慕われるようになっていく。先生としてやっていくために「やくざ」であることを隠し続けるが、その隠し方もちょっとずれていたりして、失笑もので笑える。ちょっとばれそうになってはらはらドキドキもこの手の漫画の重要な要素。
そしてなによりも、現代の教育と先生という人種への『在り方』を示唆していて、その奇抜な行動に「そうだよ、やってくれたぜ!」という爽快感と妙に説得力を持っていたりもする。

Sizukanaru1 極道漫画では男性誌で長期連載を続けている『静かなるドン』があって、こちらは夜は極道3代目の切れ者だけど、昼は冴えない女性下着会社の下っ端デザイナーという設定。やはり昼と夜のギャップが笑いを誘い面白い。

どちらも一般人としての常識と非常識をもっていて、そのギャップに親しみとおかしさ、そしてかっこよさが出てくるんだと思う。この2つの差は、男と女の差であることに間違えないが、恋愛というものに対しての位置づけの差かな。

ごくせん 森本梢子著 (集英社発行 女性漫画誌 YOU掲載)

Gokusen1

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2009年9月 9日 (水)

ひとつのドラマが終え・・「バガボンド」31巻

吉岡一門との凄惨な死闘を終えて傷も癒えぬままに旅に出る武蔵。そして時を同じくして、又八は一つの旅を終わろうとしていた。孤高の兵法者(剣士)としての強さが武蔵なら、それの裏表になる又八は、普通の人間。弱さも脆さもしたたかさも。
常人と異なる武蔵の存在の非現実性・違和感を、又八を同時に出すことで、読む者に近しい存在として、このドラマにリアリティーを生んできた。

その又八が、自らの弱さを認め、口にした。
世の中に強い人などいない。あるのは強くあろうとする人だけじゃ
この言葉を遺して去っていた彼女も又、弱い人間だったのかも知れない。

佐々木小次郎と別れて今、傷ついた武蔵の前に現れた一刀斎。
天下無双を単なる言葉として受け入れようとする武蔵を、かつての天下無双を追い求めてギラギラしていた頃の武蔵に戻そうとするかのような一刀斎。この闘いこそが、小次郎との闘いへの前哨となるのではないか。

吉岡一門死闘編から一変、静なる展開をしてきたバガボンドも、本巻で転換を迎えるかのような展開になってきた。さすがにバガボンドは面白い、そう実感させてくれる巻だった。

バガボンド 31巻 井上雄彦

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2009年7月24日 (金)

おとうさん、さんぽにいきましょうよ・・「星守る犬」村上たかし著

おとうさんとハッピー(犬)の物語は切なく哀しい。
本の帯にこう書かれている。
「読み終えた瞬間、「おとうさん」という声が、遠くからかすかに聞こえた。
涙が出た。
せつなくて、うれしかった。重松 清さん(作家)」

「星守る犬」という言葉は、「犬が星を物欲しげに見続けている姿から、手に入らないものを求める人を表す」そうだ。

物語は、林道奥に放置されたまま朽ちたワゴン車に遺された謎をひもとく物語、ある家の少女に拾われた野良犬ハッピーと、その家のおとうさんとの「生」と「絆」を描いた物語。

子供の時などに犬や動物を飼ったことのある人なら、一度は経験したことのある後悔、残された想いをフラッシュバックさせてくれます。動物との言葉のない絆に、時には鬱陶しく感じ、冷たくした経験も。
「なぜそんなことをしてしまったんだろう」
そんな想いを切なく思い起こしながら、読んでしまいます。

「星守る犬」村上たかし著

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2009年7月23日 (木)

クスッてきて、ホロリってきます。「くるねこ」

オレたちひょうきん族でさんまちゃんが被るような、自動車のかぶり物を、最近オフィス内で被ったりと・・、なにか吹っ切れた?ような、そんな東京事務所のクールビューティーMさまが、「これ面白いぞ!」と貸してくれました。くるねこ大和さんという方のブログ漫画日記が人気で、そこからの出版のようです。

「捨ててある猫を見たら、絶対に拾う。どうせ後で拾うんだから」
そんないさぎよい気っぷの良いくるねこ大和おばさまの、猫との生活をえがく漫画に出てくる猫たちは個性豊かで、どれもかわいいです。そしてなにより猫に対する作者の愛が滲み出ています。
「もんさん」「ポ子」「ぼん」「トメ」の4匹を飼う作者の日々。クスッと笑わせてくれて、ホロリってうるるさせてくれます。猫を飼ってみようかな、そんな気持ちにさせてくれます。でも読んでる内に、すっかり自分家の中に、もんさん、ポ子、ぼん、トメの4匹が確実に居着いてくれています。

以下のアドレスで、そんなくろねこ大和さんのマンガを読めますよ。日々更新してるようです。
http://blog.goo.ne.jp/kuru0214

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あとがき

クールビューティーMさまは、なんとかぶりものの爆笑写真を故郷の兄に送ったそうですが。。。(よっぽど嬉しかったのか・・)
兄さまからの返信は「お前の写真より面白い写真はオレは持っていないから・・」

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2009年7月 4日 (土)

謎が解き明かされ、そして大いなるカタルシス「PLUTO 8」

漫画の神様 手塚治虫氏の名作「鉄腕アトム」の中の1エピソード「地上最大のロボット」を、「20世紀少年」はじめ多くの受賞作を執筆している浦沢直樹氏がリメークした作品。この8巻で完結。

世界各地の世界最高水準のロボットが次々と何者かに破壊されていく。調査を担当する世界最高水準ロボットの一人、ロボット刑事ゲジヒトは事件の真相に迫っていく。7体のロボットに闘いを挑むその理由、そして圧倒的強さを誇るものの正体は何か。ノース二号はじめロボット一人一人のエピソードも印象的。

単なるオマージュ作品ではなく、見事に浦沢節満載の作品に仕上がった。8巻まで来て色々な支流の謎が、大河に集まるかのようにエンディングを迎える。
最後に来て涙腺を刺激されてしまった。長すぎず短すぎず、ステキな映画を観たような感動を覚えた。

「憎悪からは何も生まれないよ」
この言葉はまさにこの作品が言いたかったことであり、機械(ロボット)から人間への警告でもあった。プルートゥとアトムの見上げた夜空、流れ星のシーンは印象的。

そして。。
「地球が終わっても、お前を離さないぞ…」
この言葉にやられた。
もうどうしょうもないカタルシスの中に溺れよう。

PLUTO 8 浦沢直樹著

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2009年6月22日 (月)

直球の表現で心の琴線に響く「生きるススメ」戸田誠二著

ものすごく直球のショートマンガ短編集です。
1Pから長いので8Pくらい。最後の「ラスト・ムービー」が24P。好き嫌いあると思いますが、心の琴線に触れる内容です。

「掟」
幼稚園に通う少女が、TVで「農村の暮らし」のドキュメンタリー番組の中、村人が飼っている鶏を食べるシーンを観て「かわいそう。」少女は幼稚園で鶏を飼っているのだ。そんな少女に小学生の兄が「お前だって今、牛食ってるじゃん。同じジャン。」兄に軍配が上がった。
「・・・もう食べない」
少女はベジタリアンになった。そして6日目。家族でファミレスへ。兄はハンバーグ・セットを注文。少女は黙って下をうつむいたまま。母が優しく声をかける。

「・・・もういいよ。よくがんばったね」
母の言葉で号泣する少女。泣く声がファミレスの中に響く・・。
私たち人間は他の生き物を殺して生きてる。この齢で少女はその真理を体感したのだ。

「小さな死」

『中学の時に哲学ではセックスのことを「小さな死」というのを知りました』
この言葉から始まる6Pには、ある病気(HIVのことを言ってると思われる)に感染している、中学生時代にクラスメートで偏見と差別を受けた少女の話から、十分な知識に優しく守られた大学の時の友人、そして社会人になってできた(HIVの)恋人との触れあいで「死」を考え理解していく話です。

・・・セックスもします。
気をつければほぼ100%うつりません。
・・が私はそのたびにいつも
ある種の覚悟をします。
これで死ぬかもしれない。でもいいと。
泣けるのはこんな自分がうれしいからです。
・・私はこのときはじめて私なりに 小さな死を理解しました。

このほかにも印象に残る言葉があります。

「花を咲かせない方法ってあるの。
・・・水も栄養も十分与えるのよ。
そうすると植物は安心して花を咲かせないわ。
咲かせるのはその逆。」

読んで、心に残る作品もいくつかあったけど、あまりぴんと来ない作品も多かったのもまた事実。ただ全部、自分の気持ちに合う必要もない。ほんの一握りのページだけが心に深く刻まれた、それで十分です。インディーズの作家のようです。もし興味のある人は詠んでみてください。

最後に。
表紙裏(表4)に書かれているショートストーリーも意味が深いです。
(文字が見にくいので、吹き出しを下に書きます)

「人生」

・・・ヘンな夢を見た・・・

ひとつのタマネギ。

《これがあなたの人生です》

「(これが?)・・玉ネギみたいですね」

《皮一枚が歳一歳です》

玉ネギの皮をむきながら
「・・・本体がないんですけど」

《そういうものです》

「しかも・・・
涙が止まりません」

《そういうものです》

http://www2.odn.ne.jp/~cbh42840/life.html

「嫌になったり、くじけたり。
それでもあなたがいるだけで、日々はこんなにも愛しい」

(表紙帯より)

「生きるススメ」戸田誠二著
http://www2.odn.ne.jp/~cbh42840/index.html

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2009年6月20日 (土)

「小次郎と三たび逢う その時のために」バガボンド 30巻(井上雄彦)

吉岡一門との一乗寺下り松の死闘で傷ついた武蔵は、牢獄の中で身体を癒しながらも、自己を見つめ直す。天下無双を否定する武蔵に、後世に「五輪の書」を著す武蔵像の片鱗が見えてきた。
今までの戦いの中で、「勝ったのは自分なのか」自問する武蔵。

おつうにつきまとう亡霊という設定は、今までのリアリティーを求めていたバガボンドにはあり得なかった設定となった。亡霊に連れられて、おつうの見た悲劇の現実。それがおつうになにを与えるのか。

小次郎もまた新しい旅立ちの時を迎えた。しかしそれは、武蔵と三たび相まみえるための、船出でもあった。前巻までの荒々しいまでの「動」から、内面をえぐる様な「静」の展開となった本書。登場人物も顔を見せながら新展開への序章を彩る形となった。

じゃっかんスピードダウンした感もある本巻では、吉岡決戦で登場人物も読者も傷ついた心を癒すような、そんなゆったり感も。確かに20巻までの丁寧な書き込みも弱くなった気もするが、他のコミックとは一線を画した名作には間違えない。

心ふるわせて続編を待とう!!

バガボンド 30巻(井上雄彦)

Bagavond30

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